2026年2月17日火曜日

ニース研修2026春第2日

 2026年2月16日(月)第2日

学校のレジダンスに宿泊することになった学生二人のことが気に掛かりながらも、こちらも飛行機長時間移動やらカンヌ往復、そしてその後の鍵騒動で疲れていたので、すぐに眠った。
午前7時15分にiPhoneの目覚ましをかけていたのだが、目覚ましが鳴ってしばらくすると、またアラームが鳴る。スヌーズにしていたのかなと思ったら、昨夜の鍵騒動の大家の老婦人から電話だった。朝起きて、自分の携帯電話の留守番電話に入っていた録音を聞いて驚いて電話をかけたとのこと。昨夜は体調が悪くてぐっすり眠っていて、チャイムも電話も昨夜は気づかなかったとか。学生二人が何も言わずに黙って外出したので、部屋の中にいるだろうと思い、彼女たちが鍵を持っていない扉の上方にあるもう一つの鍵も閉めてしまったとのこと。
一応反省してオロオロしている感じではあったのだが、「何も言わずに外出した学生たちが悪い」みたいな如何にもフランス人っぽい言い訳をするのにむかっとした。そもそもその老婦人には、昨日、彼女たちが外出前に、私が電話で「今日はこれからカンヌに行って外食するので、そちらで夕食の用意はする必要はない」と伝えているのだ。そしたら向こうは「わかった」と言っていた。またフランス語には「行ってきます」に対応する表現はない。あとで学生に話を聞いたところ、家を出ようとするときに、老婦人が電話中だったので、一応「出ます」と伝えたのだけど、それが聞こえてなかったのかもということだった。
老婦人にはこれから学校に行って、学校の担当者と私の学生を交えて話をします。それからあらためて話を伺います、と伝え、電話を切った。
8時半に学校へ。今回は18人の学生をレベル別に二クラスに分けて欲しい、クラスのメンバーはわれわれのグループだけに限定する「閉じた」クラスで構成して欲しいと事前に伝え、「了解した。そのリクエストには応えるので、まかせておけ」という返事はもらったのだが、今週は受講生が少なくて、学校全体でA1、A2、A2+の3クラスしか開講できない、クラスはすべて「オープン」で他の国からやってきた学生との混合となるという話になっていた。こういう状況は事前にわかっていたはずなのに、事前に連絡がない。当日になって「変わった」だ。よくあることではあるがやれやれという感じだ。

しかし例年、2月の下旬は学校にとって繁忙期ではないとはいえ、昨年までは最初級のA1からB2まで、6から7クラスは開講されていたはずだ。今回は我々のグループ以外は、すべて「個人客」で、その個人客もせいぜい十数名だ。Azurlinguaでこんなに受講生が少なかったことはこれまでない。たまたまなのか。学校の状況がちょっと心配になる。
昨夜の鍵騒動の件については、グループ担当のサンドリーヌはすでに状況は承知していた。老婦人から学校に電話があったらしい。しかし昨夜この件で老婦人の家までやってきた送迎責任者のロマンは、今日からバカンスで学校に来ないという。昨夜は「じゃ、ミキオ、また明日この件については話そう」とか言っていたのに。緊急連絡先となっている彼の電話番号に電話をかけてもなしのつぶてだ。まあ、これもよくあることだが、ほんと、かなりむかついた。
サンドリーヌがホストファミリーの担当者なのだが、彼女も老婦人から状況は聞いたけど、彼女も体調が悪くて、学生たちが何も言わずに出かけたのでしかたない、とか言う。そして自分から解決について何の提案もしない。サンドリーヌはオープンで愛想のいい女性だが、仕事が本当に雑で、昨年も彼女の怠慢で、ホストファミリーのトラブルがあった。昨年は二回あったので、二回目は私はカンカンに怒って抗議したのだけど、その抗議のされ方がショックだったみたいで彼女を泣せてしまった。
こうしたホストファミリー関連のトラブルで、弱い立場にあり、一番の犠牲者は大金を払って研修に参加している学生なのに、学校側は被害者である学生の立場に立って動くことはない。サンドリーヌに、老婦人の大家と学生とあなたを交え話をする必要があるので、電話して訪問の約束をとりつけてくれ、と言うと、「昼休みでいいか?」というので、「今すぐだよ」と伝える。するとはいはい、わかりました、みたいな感じで、電話して、授業の休憩時間の10時15分に学校を出て、大家の家に行くことになった。ほんと、ヒトゴトみたいな対応だ。私のせいじゃないけど、まあミキオがギャアギャア言ってるし、という感じなのだと思う。
Geminiに大家との話し合いでの対応策について尋ねると、的確なアドバイスをくれた。
Geminiの回答
これから行われる話し合いは、学生たちの「安心感の回復」と、ホストマザーおよび学校側への「責任の再確認」が最大の目的です。 マダムが「病気だった」という理由を主張している以上、それを頭ごなしに否定すると感情的な対立になりかねません。しかし、「病気であること」と「契約不履行(学生を危険に晒したこと)」は別問題として切り分ける必要があります。
学生たちはあの家には住みたくないかもしれないが、スーツケースはあの家にあるし、新たにステイ先を探すとなるとこれがまた一仕事で、代替の家がましかどうかは賭けになる。朝の電話では自己弁護の言い訳はしていたものの、オロオロとしていて、反省していたみたいだったので、この午前中の面接の状況でステイ先を変更したいかどうか、考えて欲しいと学生たちには伝えた。
それで結局、学生たちにはそのまま同じ家に滞在してもらうことになった。マダムは性懲りもなく自己弁護はしていたけれど、それは押さえ込んだ。ここでこちらの本気を示さなければならないと思い、私も強い態度で出た。今後のあり方などを確認して、和解ということに。学生たちは午前の残りの授業は休んで、家でようやくシャワーを浴び、着替えることができるように。


ちなみに滞在先の建物は、ニース特有のネオコロニアルなシックな建物で、老婦人一人暮らしとは言え、調度や内装も立派なところだった。しっかり釘をさしておいたので、マダムの様子からみて、おそらくマダムは同じ過ちは二度としないと思う。マダムのこの対応も、グループの責任者である私が出てきて、学校の担当者を同席させたからだと思う。おそらく学生だけで対応させていたら、まあ、昨夜は学校に泊まることになったのは申し訳ないけど、結局は巧く解決したでしょ、と流していた可能性が極めて高いように私は思っている。
日本でも同じではあるが、フランスではとりわけ怒るときは本気で怒って、舐められないようにしなければならない。本当に幼稚に、素朴に、おとなしい人たちを舐めてかかる傾向が強い。という風に考えるようにさせたのは、Azurlinguaでの経験ゆえである。日本がフランスよりマシかと言えば、まあ本質的には変わりない。日本のほうが弱い者いじめは、フランスよりより陰湿で洗練されて狡猾であるとも言える面があるので。
学生たちは内心どう思ったか気にはなったが、とりあえず一件落着で、自分の仕事は果たした気がして気は軽くなった。昼飯はこの不運な女子学生二人にランチを奢ろうと思ったのだが、二日ぶりに身繕いができる彼女たちの準備が手間取って、結局、学校の近所のパン屋でサンドイッチを買って、学校の中庭で食べた。ランチの償いはまた別日で。
この学校近所のパン屋はどうってことのない街のパン屋だが、値段が安くて、サンドイッチは巨大でボリュームたっぷりで、美味しかった。チュニジア人がやっていて、私はチュニジア風サンド、唐辛子ソースとツナのサンドイッチを食べた。
今日の午後は、本来は学校のレクリエーション担当者がニース旧市街とニースで人気の老舗お菓子屋の工場と売店をガイドツアーしてくれるはずだったが、カーニバルによる道路封鎖などのため、明日にしてくれとこれも今日になってから言われる。そのため、午後は、私のガイドでニースの隣にある美しい港町、ヴィルフランシュ=シュール=メールへの遠足にした。海沿いの小さな街だが、その旧市街の構造、特にトンネルとなった街路が独特で、私は好きな場所である。ニースから列車で10分ほどのところにある。鍵騒動の二人も含め全員が参加。
今日はヴィルフランシュ=シュール=メールの海で、船による「花合戦」が行われ、大勢の観光客がいた。例年、この時期はひっそりしている街なのだが。「花合戦」はカーニバルのプログラムの一つだ。ニースのカーニバルは有名だが、この時期、南仏のいろいろな街でカーニバルの祭が行われている。ヴィルフランシュ=シュール=メールの海の花合戦については私は知らなかった。



旧市街を回り、街と海を見下ろす高台にある16世紀の要塞に登り、また街に降りて、50分ほど自由時間とした。私はその自由時間のあいだ、要塞博物館を散策した。要塞博物館は昨年確か行ったのだが、入り口がどこかあやふやだった。自分が行ってから学生たちも要塞博物館に連れてくればよかったとちょっと思う。博物館といっても要塞の内部が一部開放されているだけで、特に展示物はないのだけど。


ヴィルフランシュ=シュール=メールの旧市街の特異な景観は学生たちも気に入ってくれたと思う。風は強かったが天気がよく、海の色がきれいだった。

17時頃にニースに戻る。ニースの目抜き通りであるジャン・メドゥサン通りにあるFNACとMONOPRIXを学生たちに紹介して、私は家に戻った。うちの滞在先の夕食は、20時からと遅め。今日の献立は七面鳥のプロヴァンス風ハーフローストがメインで、それにサヤインゲンとにんじんのサラダ、マッシュポテトがついた。マダムが料理好きとのこと。七面鳥の旨みが、ハーブの風味によって引き立っていて、とても美味しかった。食べ過ぎた。ニースではダイエットも目標だったのに。飯がうますぎる。やばい。




フランスでの食事は会話の時間でもある。1時間半ぐらいご飯を食べながら、とりとめのない話を。ここ数年のフランスの夏の暑さや彼らのバカンスの過ごし方、これまで彼らが受け入れたホームステイ学生についてなど。まだお互いどんな人かわからないので、どこまで踏み込んだ話ができるのか探っている感じだ。


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