明日は帰国日で空港に行くだけの日になるので、実質的に今日がパリ滞在最終日となる。パリ観光の定番中の定番であるヴェルサイユ宮殿に行った。ヴェルサイユ宮殿にはRERのC線に乗って行くのだが、RERの切符を買うのにちょっと戸惑った。google mapの表示より一分早くホームに入線したヴェルサイユ方面行きのRERに飛び乗ったのだ。ヴェルサイユ宮殿の最寄り駅は、Versailles-rive-gaucheという駅なのだが、私たちの乗った列車はこの駅には止まらない列車だった。google map通り、この1分あとの列車に乗るべきだったのだ。宮殿からはそう遠く離れていないはずのVersailles-chantiersという別の駅で降りた。この駅から宮殿まではgoogle mapによると徒歩で30分とあった。Versailles-chantiers駅の駅員に宮殿にはここからどう行けばいいと聞くと、私たちのように間違った列車に乗り、この駅で降りる乗客は少なくないようで、「改札を出て左手に行き、1か4か5のバスに乗りなさい」と言う。
駅前のバスターミナルになっていて、どこから乗ればいいのかわからない。またGoogle map便りでバスの番号と行き先表示を頼りにバスに乗り込んだのだが、そのバスに乗っていた老婦人から「ヴェルサイユ宮殿ならこのバスではなくて、向かい側の乗り場のバスに乗りなさい」と教えて貰った。ヴェルサイユ宮殿はVersailles-chantiers駅からバスで二つほど、案外近くにあった。到着したのは午前11時を過ぎていた。
宮殿の建物への入場は13時からのチケットだったので、それまでは庭園を散策した。散策といってもやたらと広大である。あいにく庭園はあちこちで工事が行われていて、池や水路の水も満水の状態でないところがあり、期待していたほどの景観ではなかった。今日は曇りときどき雨、たまに晴れ間という天候で、風が強く寒かった。昼食を取る時間は設けていなかった。私は庭園内でチョコレートビスケットを食べた。
13時から入場。長い行列はできていたが、時間別入場はけっこうまく機能していて13時20分には城館内に入ることができた。16時にヴェルサイユを発つと学生たちには伝え、あとは自由に城館内見学することにした。
16時すぎに城館を出て駅へ。小雨が上がって太陽が照っていたため、大きな虹が見えた。
パリで学生たちと別れる。私は17時半からパリ日本文化会館で打ち合わせが入っていた。12月に大衆演劇劇団がパリ日本文化会館で公演を行うことになり、私はそのアドバイザーみたいなことをすることになっていた。パリ在住の知人の音楽プロデューサーに巻き込まれてという感じだが。その音楽プロデューサーがパリ日本文化会館の担当スタッフとの打ち合わせを、私がパリに来ているということで急遽セッティングしたのだが、彼女は急用で打ち合わせに来れなくなったと言う。私はこの企画の詳細を知らされているわけではなく、自分がこのイベントでどんな役割を期待されているのかもはっきりしていなかったのだけど、とにかく打ち合わせの約束はしてあるので、パリ日本文化会館のスタッフと話をすることに。パリ日本文化会館のスタッフは国家公務員なのだけど、担当者は演劇、舞台芸術に幅広い関心を持ったふところの深い人だった。彼と話しているうちに大衆演劇のパリ公演のイメージが膨らんでいった。
80分ほどパリ日本文化会館のスタッフと話す。その後、パリ在住の女優・映画プロデューサーの竹中香子さんと映画監督の太田正吾さんとの会食の約束があった。この二人に、音楽プロデューサーを引き合わせるというのが、この会食の目論見だったのだ。パリ日本文化会館での打ち合わせをドタキャンしたプロデューサーからは、会食会場に直接向かうとメッセージが入った。
昼過ぎからなんとなく気分が悪い、かすかな吐き気を感じいたのだが、会食会場に向かうメトロのなかでその吐き気が段々ひどくなってきて、これは会食は無理だと思った。何とか会食を行うレストランまで行って、竹中さんと太田さんに挨拶と謝罪をする。音楽プロデューサーと彼らとのつなぎは私の役目なので、私がいなければこの三人だけだと気詰まりになってしまうだろう。音楽プロデューサーもしばらくするとタクシーでレストランに到着したが、結局、今日の会はお開きにした。私はとてもものを食べられる状態ではなかったからだ。
竹中さん、太田さんと別れ、私は胸のむかむかはひどくなっていたけれど、音楽プロデューサーとお茶を飲んで、秋の大衆演劇パリ公演について40分ほど話した。むかつきはだんだんひどくなる。12区のNationの近くだったが、Uberで宿舎まで帰ることにした。Uberの運転手は超安全運転でゆっくり走る。しかし道のでこぼこでの揺れが気持ち悪かった。Uberを降りるなり2回吐いた。
ホテルに入って、部屋の鍵をさがしたがいつも入れている場所に見つからない。カバンの中身を全部取り出して、受付のカウンターに置いて、探すと見つかった。とりあえず自分の部屋の階に行き、トイレに駆け込む。嘔吐と下痢、またウィルス性腸炎だ。このフランス滞在中に二度目であり、一月末にもやっている。いくらなんでも多すぎる。
学生から電話がかかってきて、ホテルのロビーカウンターに私のものらしい財布があるけれど、財布は持っているか?という内容だった。カバンを見たが、財布がない。かなり大型の筆箱のような長財布で、私のオリジナルのイラストが印刷されているため、学生はそれが私のだとわかったらし。先ほど、鍵を探すときに、カバンの中身を取り出した。そのあと財布を放置したまま、エレベータに乗り、トイレに駆け込んだのだ。偶然、学生がカウンターにある私の財布に気づいたので助かった。
いやあ、たまらない、きつい一日だった。
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