2026年3月4日水曜日

ニース研修2026春 第17日

 2026年3月3日(火)第17日

よく眠れたと思う。昨夜のパスタの大食いがまだ効いていて、胃もたれする。朝ご飯はごく軽く、薄いパン1切れとヨーグルトだけで。午前中のかなり遅い時間になっても、明日の朝の送迎スケジュールがまだ出ていないので送迎担当者にプレッシャーのメッセージを送っておいた。Azurlinguaの親会社のKaplan社の日本人社員の方にも、メール送信をお願いしておく。うるさいやつ、めんどくさいやつと思われるかもしれないが、かまわない。実際、ここまでしないと、動かない場合がけっこうある。私は先送りできるものはできるだけ先送りしてしまうタイプのADHD人間なので、こういった人のことをどうのこうの言えないが、フランス人は日本人よりADHD気質の人間の割合がはるかに高いように思える。ただフランス人の先延ばしタイプの多くは怠け者で無責任だが、私は奇妙な責任感はあるし、怠け者ではない。勤勉でもないけれど。
航空券とホテル代の全員分の入金が確認できたということで、航空券e-ticket控えとホテル・バウチャーが、旅行代理店から送られてきた。


学校敷地内のレジダンスに昨日、滞在先を移動した女子学生二人と、同居学生が昨日パリに行ってしまったためひとりぼっちになってしまった女子学生に声をかけて、昼飯は近所にあるクスクス屋に行くことにしていた。クスクス屋はガンベッタ通りのSNCFの線路を超えたところにあるチュニジア人の店で、先日別の学生たちと行った店だ。12時5分に一応前日夜に予約を入れていたのだが、店は閉まっていて、中は暗い。張り紙がしてあって「ラマダンのため休業」と書いてあった。「あれ?つい数日前はここで昼を食べたのに」と思い、別の店に移動しようとしたら店の中からおじさんが出てきた。今から営業だという。ラマダン休業は夜のことだった。この店の通常の開店時間は変わっていて、Webページの記述では朝9時から昼の2時までと夜18時から22時なのだ。
https://restaurant-lagoulette.fr/
午前中からクスクスを食べに来る人はけっこういるのだろうか?夜もフランスの外食はたいてい19時半ぐらいからなので、18時から開いていても客はいないんじゃないかと思う。
外食が高いフランスだが、La Gouletteは10ユーロ代でクスクスを食べることができる。私はメルゲーズにしようか迷ったが、お腹がまだもったりした感じだったので、無難に鶏肉にした。女子学生3人はそれぞれ仔羊、串焼き、そして白インゲンスープと仔羊を頼んでいた。
フランスでクスクスといえば、鶏肉や仔羊肉などの副菜とともに、どかんと大きな鉢にスムールと野菜のたくさん入ったスープが置かれ、それを分け合って食べるスタイルなのだが、こういうクスクスを食べさせてくれる店は東京にはあまりない。モロッコ料理系のクスクス屋で美味しいところは3軒知っているが、チュニジア風のスープをクスクスにかけて食べるスタイルの店は、かつて志村三丁目にジェルバというチュニジア人のおばさんがひとりでやっている名店があったものの、ジェルバは1年位前から閉店したままだ。東京のクスクスは、美味しいけれど、どかっと食べるB級感がないのが私には物足りない。
チュニジア風クスクスは自分でも簡単に作れそうではあるのだけど、あのスープがなかなかうまくいかない。クスクスのスープのもと粉末が楽天の店舗で売っていて、買って試してみたけれど、私がパリやニースで食べたクスクスとはかなり違う感じの味だった。


店に来たときは腹が重くて、全然食欲がなかったのだけど、クスクスを食べているうちに段々元気になってきた。デザートはオレンジの花の風味のクレーム・ブリュレ。美味しかった。最後は甘いミントティーで締める。
一度家に戻る。食後、家に戻る途中で明日の朝の迎えのスケジュール表が届いた。昼食中に学校のスタッフからWhatsAppにメッセージが入っていて、14時半に学校の校長が私と会う必要があるとのこと。家でアテネ空港とホテル間の送迎大型バンの予約などをしてから、学校に行った。校長はこれまで毎回、私が来るたびに、ランチに招待してくれたのだが、今回はそのランチ招待はなかった。別になくてもいいのだけど、私と会ってもすごく儀礼的な挨拶を一言交わすだけ。この語学学校が米国の大手教育産業に吸収されたのは昨年のことで、校長は30年以上携わってきた学校の運営を2年後には身を引く、というようなことを昨年は言っていた。彼は語学学校の経営者であったが、pédagogue(教育者)の雰囲気はまったくなくて、中小企業の社長のおやじという感じで、ゆるやかさでアットホームな雰囲気のこの学校を作ってきて、学校にはかなりの愛着があることは感じていた。校長の「引退」については、学校の教員スタッフのリーダーはそれがいつになるのかはちゃんとは聞いてない、と言っていた。フランス人も組織のなかではかなり慎重に空気を読んで、慎重だ。私があまり信用されていないのもあるとは思うが。 今回の滞在中、これまで私に会ってもあからさまによそよそしかった彼が、出発前日にわざわざ私を呼び出すには相応の理由があるはずだ。単に「大変でしたね」とねぎらって、別れの挨拶をするためではない。 儀礼的な挨拶のやりとりをしたあと彼が持ち出したのは、エミレーツ航空欠航によってわれわれの滞在が予定していたより2泊伸びたので、その2泊分の費用を追加で支払ってくれというものだった。2泊の滞在延長にあたって、学校側がホストファミリーと調整を行い、ホストファミリーに継続滞在できない学生については寮の部屋を提供してくれたことには私はおおいに感謝している。この費用の請求があるかどうかは半々だと思っていた。10年以上、継続的にこの学校に学生を連れてきて、しかもこの緊急事態なので、もしかすると学校側が延長分費用を持ってくれる可能性もあるかなと思っていた。ただ2泊延長したのだから、その分の費用を請求するのは当然であるし、その支払いを拒否する理由もない。請求された費用も18人で2泊分で、900ユーロ弱と正当といっていいものだった。学生たち18人で割ると、一人50ユーロぐらいなので1泊25ユーロとなるので、かなり良心的価格でもある。なお学校のレジダンスに滞在した学生については請求しないと。 しかし問題は、彼がこの請求の前置きとして、エミレーツの欠航で損害が出たのだからエミレーツから補償が出るはずだ、EUの厳格な規則でそうなっている、だからエミレーツに出してもらえばいい、などと言ったことだった。私は、これは戦争が原因ということで、補償に関してはエミレーツは免責となっている、補償どころかエミレーツは代替便の手配すら保証していない、と説明した。すると彼は「そんなはずはない。エールフランスではちゃんと欠航便で補償が出た」と言う。私が「エールフランスは戦争に巻き込まれて欠航したのか?ドバイ空港は戦争で閉鎖されているんだ」と返すと、「お前はエミレーツに電話して確認したのか?」という応酬になった。 延長宿泊費を請求するというのはわかる。しかしその前置きでこんな話をされたので、率直に言って不愉快だった。ある意味、こうした見え透いた腹芸みたいなやりとりは実にフランスらしい感じがする。日本の会社でももちろんあるだろうが。ただ校長がこういう人間であることはこれまでのつき合いで知っていたし、こうした腹芸で探り合いみたいなことをやるのは、この学校のスタッフに限らず、フランスのいろんなところで経験してきたことだ。そういう意味では「お、やっときたな、これが」という感じでもあった。私の「怒り」も本気で怒っているというよりは、本気で怒っているように見せないとなめられるからというのも実はけっこうある。日本でもこういうことはあるといえばあるのだけど、これぞ「フランス」、フランスっぽい経験ができたなあという感じだ。 まあ延泊の請求額については支払うことに異存はない。申し訳ないが学生にあらたに50ユーロ分の支払いをお願いするかということになるだろう。


学校の中庭で校長とそういうやりとりをしたあと、旧市街に向かって歩いた。最後に人気のジェラート店、Fenocchioでジェラートを食べたかったのだ。昨日はFenocchioが休日で、近くにあった別の店でジェラートを買って食べたがやはりFenocchioのほうが美味しいように思った。Fenocchioで最初に買ったのはこの店の名物というバジル・トマトとブレッドだったが、これは変わり種すぎて、おもしろい味ではあったけどイマイチ。2回目に食べたローズがとてもおいしく感じた。今日もローズにしようかと思ったが、やはり食べたことのない味がいいと思い、ヘーゼルナッツと黒いちごを頼んだ。黒いちごがおいしかった。海岸に行って、海を見ながらジェラートを食べる。最後に城山に登って、ニースの街を見下ろそうかと思ったが、エレベーターがメンテナンスで利用できないのでやめた。



旧市街のニース語とフランス語の二言語で書かれた通り名のプレートの写真をいくつか撮り、家に戻った。家に戻る前に現金で200ユーロ下ろす。アテネ空港とホテルの往復のために予約した大型バンは、現地で現金払いだからだ。帰宅してメールをチェックすると、大型バンの予約確認書が届いていたのでホッとした。
MurielとYanicの家での最後の晩餐は、豚肉のマスタードソース、それにちょっと甘い、赤紫で半透明の蕪っぽい野菜のサラダにポテトフライ。キューブ状の半透明の野菜は、さっき調べたらベタラーブ(Betterave rouge / 赤ビーツ)というらしい。ちょっと甘みがあって美味しかった。デザートはレモンケーキ。Murielの家の飯は毎晩、素晴らしかった。フランスの家庭料理の一級品をいつも食べさせてもらった。本当は四旬節ダイエットのはずだが、いつも食べ過ぎてしまう。MurielとYanicと一緒に写真を撮った。



明日は7時45分に家を出る。

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