2017年2月23日木曜日

ニース研修春2017 (4) 2/22

昨日のエズ村からの山下り、そしてそのあとのオペラ三時間立ちっ放しの疲労が残り、体調が今一つの一日だった。
起きたのは午前10時半。朝寝坊した。十分寝ているのだけれど、体がだるい、重い。
昼食も食欲がなくて、副菜のブルグル(砕いた小麦を蒸したもの)を残す。しかしデザートのパンナコッタは食べた。
今日の午後はカーニバルのプログラムのひとつ、花合戦を見学した。花を摘んだ山車がパレードして、沿道の観客に花を投げるというもの。山車は花車だけでなく、ほかにもいろんなアトラクションがあるのだが。昨年夏のトラック暴走テロの影響で、花合戦の経路は大きく変更されていた。入場警備も厳しくなっている。開演の一時間前にゲートに行ったが、荷物と身体チェックで入場に30分ぐらいかかった。
花合戦は一昨年ニースに来た時に見に行った。昨年は日程の関係で見られなかった。客の数はこころなしか一昨年より少ない感じがした。


2時半から花合戦のパレード開始。ニコニコ笑顔でスタイル抜群の美しいお姉さまたちが次々と現れる。今回の花合戦は立見席を買った。値段は12ユーロ。入場料を取るというのがニースのカーニバルの残念なところだ。一昨年ははじめてのカーニバルだったので、様子がわからなくてスタンドの椅子席で見た。椅子席だと楽なのだが、パレードとは距離があって今一つ「参加」している感じが乏しい。それで今回は立見席にしたのだ。

一昨年はもっとがんがんコンフェティと呼ばれる紙吹雪や紙テープが飛び交っていたように思うのだが、今年は客いじりがちょっと大人しめな感じがした。花合戦は1時間ほどで出しがコースを一週する。二週目に山車に積んでいる花を観客に配っていく。

私は立ち続けるのがしんどくて、二週目がはじまってしばらくすると、後ろの歩道への小さな段に座って見ていた。2時間ほどで花合戦のプログラムは終了。

昨日がハードだったので、今日は体力回復のため、花合戦終了後、解散とする。私は疲れていたので、どこかカフェに入ってお茶を飲みたかった。
ニースを代表する高級ホテルであるネグレスコ・ホテルの「王のサロン」を見たいと言っていた学生がいたので、学生4名と一緒に海岸沿いの散歩道、プロムナード・ザングレにあるネグレスコ・ホテルまで行く。
「王のサロン」は楕円形の広大なスペースで、サロンの周囲には数々の美術品が展示されている。中央の楕円スペースには何脚が椅子があるだけのゆったりとした贅沢な空間だ。丸天井の装飾、シャンデリアも素晴らしい。20世紀初め、ベル・エポック期のブルジョワ文化の極みのような豪華で洗練された空間で、私はニースの観光ポイントのなかでも好きなところだ。


このサロンに入るには、ネグレスコ・ホテルの「客」でなくてはならない、とホテルの入り口に書いている。ニース随一の高級ホテルで、入り口には制服のドアマンが待機していて、入るのにはちょっと勇気がいる。昨年の研修のときにこのサロンを初めて見学したのだが、一度はドアマンに「客でないとここは利用できない」と追い返されそうになった。
「客というのは、要するにここに泊まっている人しか中に入れないのか?」
と聞くと、
「いや、そういうわけではない。ホテルのバーの客もホテルの客だ」
という答えが返ってきた。

それでホテル一階のバーの客になった。バーの内装もシックで自分は場違いだったし、高級ホテルだけにすごく高かったらどうしようと思ったのだが、コーヒーが8ユーロぐらい。高いと言えば高いけれど、びっくりするほど高いわけではない。サロンとそこで展示されている美術品の観覧料込だと考えれればいい。

今回もみすぼらしい格好の日本人4人でのこのこバーに入っていったわけだが、こういう高級ホテルだとかえってウェイターの対応も慇懃ですきがなく、こちらを馬鹿にするような態度は見せない。バーで飲み物を飲んでから、その奥にあるサロン・ロワイヤル「王のサロン」そしてホテル玄関横にある「ヴェルサイユのサロン」を見学した。

ホテルを出たら日が暮れていた。西側の岬に向かって大きく湾曲する街灯の連なりが美しい。本当に何度ニースに来ても、美しいなあと思う。

月曜、火曜と外食だったので、到着した日の日曜以来で、ステイ先で夕食を取った。帰宅するとマニアとギヨーム夫妻のほか、近所に住むマニアの母(マダガスカル人)と二人の友人の女性がいた。マニアの母が飼っている犬、チワワが私を見て興奮してぎゃんぎゃん吠える。犬の名前は「ミキ」、私と一文字違いだ。
マニア母と二人の友人女性は夕食前に帰った。
私は夕食前に洗濯機を使わせてもらう。フランスでは洗濯物を外に干さないと思っていたのだけれど、この家は乾燥機がなくて、外に洗濯物を干す。しかし物干しざおがなく、スチールの洗濯物かけがあるだけ。洗濯物かけは高さがないので、シャツやトレーナはハンガーに吊るせないので、これでいいんかなと思いつつ、横に広げておく。洗濯ばさみがなかったので、風でパンツが飛ばされたりしないのかちょっと心配だ。

夕食は前菜はかなり濃い味のチーズを添えたサラダ、主菜はブッフ・ブルギニョン。あとおまけで鶏肉をバジルソースにからめたものも食べた。作ったのは妻のマニア。彼女は料理がうまい。週末にマダガスカル料理を作ってもらうことを改めてリクエストしておいた。
マダガスカルは、フランスの旧植民地で、インド系住民、中国系住民が多いので、料理もこの三つの料理の要素のアマルガムのようだ。唐辛子を使うと言っていたけれど、一般的にフランス人は辛いものに弱いので、多分私は大丈夫だろう。
「私はフランスでダイエットしようと思って来たんだけど」と言うと、マニアは
「それは無理だ。ダイエットは日本でしなさい」

マニア、ギヨームともモナコで働いている。マニアはアルツハイマーの老人の介護をしていて、仕事時間は不規則とのこと。ギヨームがスーパーチェーンで、商品の配送の手配の仕事をしている。
明日、学校のバカンスでリヨンのギヨームの父の家に滞在している彼らの二人の子供が返ってくる。上が10歳の男の子、下が7歳の女の子だ。バカンスは今週いっぱいで、学校が始まるのは来週からだそうだ。明日の夜は、金曜朝にマニアが早く出勤しなくてはならないので、子供二人は近所に住むマニアの母のところに泊まるらしい。
親が恋しくなっている子供から電話がかかってきて、長電話していた。子供二人は私のことも気になってしかたないみたいだ。

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