ケベック第7日いつも通り午前7時起床。規則正しい生活が続いている。午前中は家の近くのバス停から800番のバスに乗って40分ほどで行けるモンモランシーの滝に行った。ケベック近郊の定番観光地だが、この時期、路線バスで行く人はそんなにいないようだ。800番のバスの終着駅がモンモランシーの滝の近くだが、そこで降りたのは私と娘はだけだった。バス停から滝までは歩いて10分ほど。あまり期待していなかったのだが、雪と氷に覆われたセント=ローレンス川、その白い川に勢いよく流れ落ちる滝の風景は、思っていたよりもずっと雄大で美しかった。モンモランシーの滝周辺には30分くらいいた。
バスで市内に戻り、エティエンヌのレストランリストにあったプラスリーで昼食を取った。鮭のグラヴラクス gravlax を私は注文して。調べてみると北欧料理だった。初めて食べたが実に美味しかった。ちょっと甘味のあるサラダのソースが絶品だった。
昼食のあとは、人類美術館へ。ここの展示も充実していた。四つの特別展が並行して行われていた。最初にエジプト文明展をさらっと回る。次に回った先住民展が圧巻だった。先住民寄宿舎学校における子供たち強制隔離、同化教育、虐待、一方的な法による土地収奪という近年大きく報道されてきた先住民族問題が総合的に展示されていた。カナダ、ケベックがこの人権問題に本気で向き合おうという姿勢を感じるてんじだった。現在、先住民族は10万人という。数世紀にわたる政治的抑圧、文化的破壊行為にも関わらず、彼らは独自のアイデンティティを維持、継承し、Rideau のショーケースで確認されたように、音楽、文学、演劇など芸術的表現の領域において強烈な存在感を示している。先住民による文化発信は、現在のカナダ、ケベックの文化の特色と言っていいだろう。
そのほかの企画展は、ケベックの首相、ルネ・レベックに関するもの、そしてうんちとトイレに関するものだった。どの企画もよく練られている。
この日は18時からルミさんと食事を取る予定になっていた。人類博物館を見終わった時点で、15時を過ぎていた。ケベック州立美術館を観たかったが、時間的に中途半端だ。ケベック要塞、アブラム平原を見てからルミさんと合流しようと考えた。
ケベック要塞には16時15分前に着く。これまでフランスてこの種の要塞は「遺跡」であり、観光客は勝手に動き回って見て回るものばかりだったのだが、ケベック要塞は現役の軍事施設だった。ガイド付きツアーしかないという。フランス語のガイドツアーを申し込んだ。わかりやすく、丁寧な説明だった。時折り冗談を交えながら、50分ほど要塞の各所を見て回った。ガイドは、Le Diamant劇場のファンだった。ごつい体格と人懐こい雰囲気から、ディアマンでやっているプロレスのファンかと思えば、ルパジュをとても尊敬していた。ルパージュ演出、Ex-Machinaの『サド侯爵」がいかに面白かったか、熱く語った。今,検索
要塞ツアーが終わるともう17時を過ぎていた。ルミさんからは連絡がない。たぶん仕事の打ち合わせが入ったのだろうと思う。寒かったので17時半までヒルトンホテルのロビーで待機して、ルミさんからのメッセージを待った。しかしメッセージがなかったので、娘と二人で飯食って帰ります、また東京では会いましょうとメッセージを送ってホテルを出ようとすると、私たちが座っているすぐ後ろにルミさんがいた。偶然、そこで打ち合わせの待ち合わせをしていたのだ。ルミさんとの食事はかなわなかったが、娘を紹介できてよかった。
ホテルを出てスポーツ用品店でネックウォーマーを購入。その近くにあるやはりエチエンヌのリストにあったハンバーガー・ショップで夕飯を取る。この日は暖かく、路上にほとんど雪は残っていなかった。予報によると深夜から明日にかけて気温が一気に下がり、大雪だとのこと。
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