第二週目に入った。
イタリア北部のロンバルディア州で多数のコロナウイルス感染者が見つかり、いくつかの都市への交通が閉鎖された。これは私たちの研修を受け入れている語学学校にも大きな影響をもたらした。イタリアからやってくるはずだった受講生の大量キャンセルがあったのである。イタリアにほど近いニースにあるフランス語語学学校ということで、イタリアの高校生の団体はコート・ダジュールの語学学校にとっては最重要の顧客のはずだ。その多くがコロナウイルスのせいで研修を取りやめてしまったのだ。コロナウイルスの問題が長引くと、大学付属の語学学校はともかく、経営基盤の弱い私立の語学学校はこれからどんどん潰れていくだろう。
語学学校には中国人の研修生も多数いる。彼らは中国への帰国便がキャンセルになってしまったため、予定していた研修期間が終わったあとも引き続き残ることを余儀なくされているという。
われわれのグループの学生たちは次の日曜日にエミレーツ航空でドバイ経由で帰国の予定だが、もしかするとドバイ乗り継ぎの際、日本人ということでかなり厳しいチェックが入るかもしれない。
授業は二クラスのうち、一クラスの先生が変わった。先週担当していた教員が休暇に入ったからだ。今日は授業の様子は学生たちには聞かなかった。疲れは出てきているかもしれないがたぶん問題なくやっていると思う。
昼飯は豚の血のソーセージ、ブダンを選択。美味しかった。
午後は学校の企画はなく、私の企画で学校から20分ほど歩いたところにあるシャガール美術館に行った。参加は任意で希望者のみということにした。シャガール美術館はこじんまりした規模だが、シャガールの作品のなかでも名品が揃っている。美術館には一時間ほどいた。見終わってもまだ午後3時前だ。
まっすぐ家に帰ってもつまらない。数人の学生と旧市街までぶらぶら歩いて行った。旧市街に着くと、ばらけた。学生たちは買い物に行ったようだ。私はオペラ座のチケット売り場に行き、今週金曜に見るオペラの学生用チケットを引き取った。学生用チケットは一人5ユーロだ。学生チケットは公演の数日前にオペラ座のチケット窓口でしか普通は購入できないのだが、私のグループは毎年オペラ座の担当者と事前に連絡を取り、チケットの取り置きを特別にしてもらっている。ニース・オペラ座に毎年来る日本人団体観客はわれわれぐらいだろう。担当者の判断でこうした便宜を図ってくれるのがフランスのいいところだ。
オペラ企画は私の企画で自由参加だが例年ほぼ全員の学生が参加する。ニースのオペラ座でオペラ・デビューというのは悪くないと思う。
オペラ座でチケットを引き取った後は、海岸に行き、海をぼーっと一時間ほど眺めていた。ニースの海岸の風景は本当に美しい。何度来ても見飽きない。こんな美しい海岸に市街地から徒歩数分で行くことができるのがニースの素晴らしいところだ。
学会発表の要旨、まだ切り口が思い浮かばず、一字も書けていない。憂鬱だ。早く書き上げてこの憂鬱さから解放されたい。
毎日長距離歩いているので体はちょっと疲れている。でも健康。今年は夜遊びを控えて、体力を温存している。
穏やかで事件のない一日だった。
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