2026年2月23日月曜日

ニース研修2026春 第8日

 

2026年2月22日(日)第8日

モナコへの日帰り遠足の日だ。体調を崩した学生に朝がた電話をして様子を聞く。Gemini先生の助言では、「せっかくのモナコ、行きたい気持ちは痛いほど分かる。でも、君の検査数値はまだ体が戦っていることを示しているんだ。ここで無理をして帰国まで寝込むより、明日一日プロのように完璧に休んで、月曜日からまたみんなと笑って過ごそう。それが今の君のミッションだ」というものだった。Geminiはかなりの慎重派なのだ。しかし一応、回復しているのに、昨日、今日と、他の学生たちは出かけているのに、ずっと家に閉じこもっておくというのもさぞかしつらいはずだ。熱もないし、電話の様子でも元気そうにしていたので、結局、モナコ遠足への参加を許可した。
ニース駅への集合は午前10時と遅めにした。10時22分ニース発の列車に乗ったが、列車は大混雑だった。マントンのレモン祭の昼のパレードもそういえば今日だった。モナコにはこの研修では毎回必ず訪問しているのだけど、駅の出口がいまだによくわからない。昨年は変な出口から出てしまったため、最初の目的地である大公宮殿に行くまでに大幅な遠回りをするはめになり、大公宮殿前広場に着いたときには疲れ切っていた。今年もどの出口から出るのがいいのかわからない。選んだ出口は駅の北側の高台に出るもので、やはり間違っていたが、下り道で大公宮殿に向かう坂道にたどり着けたので疲労はそれほどでもなかった。
大公宮殿前広場に到着したのが午前11時半頃。確か正午に衛兵交替のセレモニーが宮殿前で行われていたことをなんとなく覚えていた。前に一度だけ、その時間に宮殿前にいたことがある。様式感のある、演劇的なセレモニーだったことを記憶している。宮殿入り口前には、その衛兵交替を見たい人たちの人垣ができていた。われわれもそれに加わり、衛兵交替のセレモニーを見物することにした。正午5分ほど前に、セレモニー開始。四角張った動作で、衛兵達は動き、あいさつ(?)を交わす。茶番じみた見世物のような儀式は、15分ほどだったと思う。


たかが持ち場の交替を、このように儀式化・演劇化しなくてはならなかった理由は何だろうと思う。今はある種の観光客向けのパフォーマンスとなっているが、もともとは観光客向けのスペクタクルとして演劇的な様式で行われたのではないはずだ。王権、領主権を可視化させて、国民に誇示する、という目的があったのか?しかしこの儀式は、国民向けに見せるものとしてあったわけでもないように思う。



眺望の良い大公宮殿前広場に、衛兵交替のあと20分ぐらいいて、写真撮影時間とした。その後、旧市街を抜け、大聖堂前まで移動。1時間の自由時間とし、この間に旧市街の売店でサンドイッチなどを買って、食事をとっておくように伝えた。私はケバブのサンドイッチといちごなど数種の果物のシロップ漬けを購入。ケバブサンドはまあまあ、しかしこれはアラブ人、トルコ人系の人が作るケバブではなく、迫力に乏しいものだった。果物は甘みがなくて美味しくなかったので、全部食べなかった。
休憩時間後は、エキゾチック植物園のなかの道を通って、モナコ海洋博物館へ。ここは学生料金が設定されていて、一般料金よりかなり安い。昨年はチケットを買うときに、「学生証を出せ」と言われたので、学生たちから日本の大学の学生証を集めてそれを見せたのだが、「中国語で書いてあるものを見せられても困る」「そもそもこれが有効な学生証かどうかわからない」とかいろいろいちゃもんをつけられたのを、なんとか「お願いします、日本からはるばるやって来たのですから」と粘って学生料金にしてもらった。今回もそういった対応を予想して若干緊張していたのだが、学生の名前と生年月日、年齢を一覧にしたリストを見せると、あっさり学生料金適用にしてくれた。このリスト作成は、アンティーブのピカソ美術館に団体予約したときに求められたものなのだが、他のケースでも役立つかもしれないと思い、何枚か印刷しておいたのだ。それが役に立った。また昨日のピカソ美術館同様、チケットの担当者がゆるい人で助かった。フランスはこういうとき、本当に人次第で対応が変わる。


海洋博物館は地下1階が水族館、上階が海洋についての映像と展示となっている。屋上にテラスあり。ミュージアムショップには可愛らしいデザインのものがそろっている。南仏観光といえば、モナコは外せないし、モナコ観光のコースは、大公宮殿、旧市街、大聖堂、海洋博物館、モンテカルロという流れなので、私はもう10回以上、海洋博物館に来ている。展示には毎年若干の変化はあるものの、新鮮味はまったくない。昨年はチケット購入で交渉が必要だったのに加え、館内の混雑も相当なものだった。今回は人が例年に比べると少なかったので落ち着いて、見学することができた。海洋博物館で90分弱、滞在する。


海洋博物館のあとは、一度港まで降りて、それからモンテカルロの丘に登ることになる。歩行時間は30分ほどだが、港からモンテカルロへの上り坂がけっこうしんどい。港からモンテカルロまでの公共エレベーターがあって、かつて一度それを利用して上ったことがあるのだけど、その場所が定かでない。今回、エレベーターの場所を探して利用しようと思ったが、Googleマップを頼りにモンテカルロに向かっていると、通常の坂道登山になってしまった。
モンテカルロのカジノ・歌劇場は、外壁工事中だった。せっかくここまで上ってきたのに中を見ることができないのかとがっくりしたが、建物の入り口の守衛さんに聞くと、中には入れるという。カジノの入り口前のホールに20分ほど滞在する。それからカジノの建物の裏手にあるF1コースのヘアピンカーブを見て、駅に向かった。



モンテカルロには10回以上来ているくせに、道をちゃんと覚えていない。駅の入り口が何箇所かあって、どの出口がどこに出るのか把握できていない。Google Mapに従って、駅に向かったが、このルートは無駄に上り坂を上るもので、足が疲れてしまった。「あ、これ、違うわ」と思ったときには遅い。モンテカルロに来るのに上ってきた坂道を下ったところに、駅に向かう長いトンネルがあったことを、途中で思い出したがもう遅い。
帰りの列車もけっこう混んでいて座ることはできなかった。学生たちも昨日に引き続き、今日も歩き回ったので、かなり疲れている様子だ。病み上がりの学生も、Geminiがあんなに警告していたのに、上り下りの道を長距離歩かせてしまった。
私の滞在先の家の夕食が異常に美味しい。美味しすぎる。今夜はスケソウダラ(lieu noir)の紙包み焼き(papillote)だった。キヌア(quinoa)という南米の穀物と、カリフラワー、あともう一つ、野菜が添えられている。香草とオリーブオイルのソースが絶品だ。毎晩、こんなご飯を作っているというのは、驚くべきことだ。料理はいわゆる家庭料理が主だが、その技術はプロ並みではないか。


こんなに美味しい料理が家で食べられるので、夜の外食はあまりしたくない。しかしいろいろ外出の予定があって、この美味しい家飯が食べられるのは、あと火曜、土曜、日曜の三日間だけだ。外食も、実はまだ行きたいレストランはいくつかある。西アフリカ料理の店、ニース料理の店、クスクスの店、レユニオン料理の店など。昼食時にいくつかは行っておきたい。せっかくニースにいるのだから、ニース料理の店が最優先か。しかし私の行きたい店は小さな店で、人気店なので果たして予約がとれるかどうか。電話での予約となるのもちょっと気が重い。

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