今日はキリスト教の暦では「灰の水曜日」。これから復活祭までの46日間は四旬節で節制・断食の時期となる。
今日の午後は学校の遠足で、ニースから西に列車で20分ほどのところにあるアンティーブに行った。ニースの周辺のコートダジュールの町のなかでは、ニースに次ぐ規模の町だが、同じ程度の人口のカンヌよりもひっそりとしていて、こぶりに感じる。見どころはピカソ美術館とその周囲の旧市街の落ち着いた佇まい、そして海岸の景観の美しさ。
ニースは旧市街でも建物の高さは七階建てくらいの高さがあるが、アンティーブは建築のスタイルはニースと似ているけれど高さは3-4階のため、ニースのミニチュアのような感じがある。ニースよりもブルジョワ濃度は高いようだ。港には多数の個人クルーザーが停泊し、「大金持ちの港」と呼ばれていると引率のエリックが言っていた。
海岸から東を見ると、遠くにアルプス山脈の雪山が見えて、それが海と空の青と見事なコントラストをなしていて美しい。
アンティーブはごく小さい町だ。最初は駅から港まで行き、旧市街を区切る城壁の上を通って海岸沿いを歩いてかつては領主のグリマルディの城だったピカソ美術館に向かった。ピカソ美術館には他の団体がいたので見学は後回しにして、美術館そばの司教座聖堂を見学し、アブサン博物館のある食材店を見た。
ピカソ美術館はピカソ晩年のプリミティブな作風の作品が多い。ピカソと同時期にアンティーブやニースに滞在した画家のひとり、ニコラ・ド・スタールの作品も展示されていて、こちらのほうにむしろいい作品がいくつかあった。
私はアンティーブの海の色やこじんまりして静謐な街並みがとても好きなのだが、アジュールリングァの遠足ではいつもアンティーブの滞在時間が短い。次回来るときはアンティーブの町のシンボルとなっているプレンザの彫像「nomade」や17世紀の天才築城家、ヴォヴァンの要塞なども見てみたいし、町のなかももっとゆっくり散策してみたい。
アンティーブの滞在時間は2時間半ぐらい。午後5時過ぎにニースに戻る。
夜は学生数名とニース駅南側の少々猥雑な雰囲気のエスニック地域にあるモロッコ料理屋にクスクスを食べに行った。こちらに滞在中にはやはり一回ぐらいはクスクスを食べたい。クスクスはスープをかけて食べるチュニジア風のほうが店が多いが、数種類のスパイスとともに具材とクスクスを蒸し上げるモロッコ風もおいしい。私はむしろモロッコ風のほうが好きだ。この店にはニースに滞在するたびに来ていて、店主とは顔見知りになっている。
子羊肉のクスクスを食べた後、オレンジの花と蜂蜜のお茶を飲んだ。学生には子羊肉を食べたことがない者が多かった。私はフランスでは子羊肉が一番好きだ。四旬節初日なのに早速肉食をしてしまった。
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