2025年2月21日金曜日

ニース研修2025 2/20(木)第6日

 2025/2/20(木)第6日


家が寒い。部屋の暖房機が動作せず、動作している暖房設備は居間のエアコンだけだ。故障なのか使用中止なのかは不明だ。たぶん寒さのせいで、鼻水と咳が出ており、軽い風邪かもしれない。

午前中は家で論文を書いていたが、頭が重くてあまり進まなかった。昼前に家を出て学校へ向かう。今日の午後はモナコへの遠足だ。昼食は駅近くのケバブ屋で摂った。ニース駅周辺は小規模なエスニックエリアで、アラブ系やアフリカ系の店が点在している。ケバブ店も複数ある。客層は主にブルーカラー労働者とアラブ人・黒人女性で、白人のマダムやビジネスマンの姿を見かけることはほとんどない。帰宅後、大家のAnnickに確認したところ、彼女もケバブ店での食事習慣はないとのこと。ハラルフードを提供しているため、アラブ・イスラム系の人々が主な顧客層だという。ただし、白人でも若者はケバブを食べる。



現在の東京ではケバブ店が至るところにあるが、30年ほど前のヨーロッパへの日本人留学生たちにとって、ケバブはヨーロッパでの食の「発見」であり、安くてボリュームがあり、美味しいたため、多くの日本人の若者がケバブのファンになった。私もフランスの留学でケバブの魅力にとりつかれた一人だ。アラブ系の人が多く、競争が激しいパリのほうが、ケバブについてはニースより美味しい店が多いように感じる。

ニースからモナコまでは列車で30分弱。ニース駅に数年前から設置された自動改札機が、実に扱いづらい代物である。切符のバーコードを読み取ってゲートが開くシステムだが、かなりの頻度で読み取りに失敗する。今回も正常に作動せず、何度試してもドアが開かない。改札機横のカメラ付きインターホンも応答がなく、駅員の対応も頼りない。担当者への連絡を依頼すると「わかった」と言って電話はしてくれたものの、結局、入場までに5分ほど要した。この状況は設置当初から改善されない。フランスのダメなところだ。

モナコ公国は独立国で、バチカン市国に次いで面積が狭い。海沿いの限られた土地に建物が密集し、タックス・ヘイブンのため超富裕層しか住めない都市となっている。一方、近隣のフランス人たちがここへ働きに来る。旧市街を歩くと、パステルカラーの漆喰の壁やオレンジの屋根はコート・ダジュールの他の町と似ているが、モナコの町は清潔で、ゴミ一つ落ちていない。治安も良い。コート・ダジュール観光ではモナコは外せないスポットとされているが、私はこれまで十回以上訪れているものの、この人工的で富裕層と観光客向けに作られた町には全く魅力を感じない。「リアルな」ディズニーランドのような印象だ。



十回以上訪れているにもかかわらず、モナコ駅の出口を間違え、道に迷ってしまった。モナコ大公宮殿へ向かうのに手間取る。宮殿と旧市街は高台にあり、急勾配の坂を延々と登らなければならない。かなりの負担だ。宮殿広場からは市街を一望でき、絶景ポイントになっている。そこからモナコ大聖堂に立ち寄り、その後、モナコ海洋博物館へ。20世紀初頭のモナコ大公が海洋学者だったことから、立派な博物館が建てられた。地下は水族館になっている。





学生料金で入場しようとした際、日本の学生証であることを理由に「在学確認ができない」と難癖をつけられたが、交渉の末、認められた。私は以前に何度か訪れているため、外で学生たちを待つことにした。約40分の見学後、一行はカジノで有名なモンテカルロ地区へ移動。Google マップによれば徒歩30分の行程だが、一度港まで下りてから、かなりの上り坂を20分ほど歩く必要があった。連日の徒歩による疲労が蓄積しており、到着時には相当な疲れを感じた。モンテカルロではカジノホールの見学のみで、17時21分の列車でニースに戻った。



夕食はパスタのマサラソース。インド好きのAnnickのオリジナルレシピだ。彼女はインドを7回訪れており、一般的にスパイシーな料理を苦手とするフランス人とは異なり、インド滞在を通じてスパイスや辛味への愛好家となったという。デザートのクレープも美味であった。

朝食を提供しない家庭の問題は未解決のままだ。昨夜学校にメールを送ったが返信がなく、午後3時過ぎに催促のメールを送信した。都合の悪い事案への対応を避けるのはフランス人に限らないが、ビジネスでもこうした無責任な対応をするのがフランスっぽい。私は明日、学校に行くので、そのときに対面でクレームを入れる。こういうフランスのルーズさに対応するが本当に面倒くさくて、むかつく。まあ、いつものことなんだが。解決が見られない場合は、家庭の変更を検討する必要があるだろう。

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