2025年2月18日火曜日

ニース研修2025春 2025/02/17(月)第3日

 2025/02/17(月)第3日

7時間ぐらい寝た。今日が授業初日で学生のレベルを見るテストがある。早めに学校に行っておくつもりだったが、朝食用のコーヒーを作る際にマシンの操作を誤り、床をコーヒーだらけにしてしまった。その始末をしているうちに家を出るのが遅れてしまった。
学生たちは筆記テストとオーラルテストを受けた。今日はテストだけで終わり、授業は明日からだ。私の見立てではB1-2レベルの学生が2、3名、A2が同じく2、3名、残りはA1と思っていたが、学校のスタッフの評価では、A2-B1レベルで上のクラスが適すると判断された学生は2名だけで、残りは全員A1の同じクラスという判断だった。興味深いことに、スタッフがレベルが上と判断した学生は、どちらも私の印象では授業であまり目立たない無口な学生だった。
最初に気になったのは、学生のステイ先の変更である。担当者に「私の要求はちゃんと伝わっているか? ベッド2台でペットのいない家庭じゃないと困る。今日の夕方にステイ先の移動を行わなければならない」と伝えると、「カップルだと聞いていたから」との返答。全く悪気がないというか、ミスを反省する様子もない。「カップルと私が指定したことなどあり得ない。もう新しい受入家庭は決まっているのか?」と強めの調子で尋ねると、「まだ決まっていない。これから探す」という返事だった。
「ベッド2台、女性二人、ペットなしの家庭だが、いつ新しい受け入れ先がわかる?」と聞くと、「午前中には決まるから安心して」と言う。 「午前中というのは何時? 何時になったら確定する?」とさらに追及すると「正午にまた来てくれ。そのときには決まっているはずだから」との返答。ここまで念押ししても、安心できない。担当者は数年前からAzurlinguaで働いている女性だった。朗らかで感じのいい人ではあるが、仕事が粗い。ただし、仕事が粗いのは彼女だけではない。ビジネスにおいてもこういう緩さを互いに許容しているのは、フランス社会の特徴とも言えるのではないだろうか。誰が見てもこの仕事に適性のない人がなぜこんな仕事を担当しているのだ、と思うことは日本でもフランスでもちょくちょくあるが、フランスのほうがはるかに多いように感じる。ある意味、人間の不完全さに対して寛容な社会とも言えるだろう。
午前10時に学校から歩いて15分ほどのところにあるアップルの正規代理店に、MacBookAirの修理のための予約を入れていた。10時が開店時間だった。担当者は寡黙な人物だったが、すぐに原因を特定し対処してくれた。MacBookAirの内蔵バッテリーやシステムの問題ではなく、ホストファミリー宅の電力供給が不安定だったためにバッテリー充電が行われなかったとのこと。15分ほど待って返却された私のMacBookAirは正常に動作していた。なんという的確な判断、迅速な対応だろう。日本のApple Store並ではないか! しかも無料だという。まさかフランスでこのようなサービスを受けられるとは。アップルは偉大だ。Macでよかったと思った。 正午前に事務所を再訪し、学生の引っ越しについて確認した。ベッド2台、ペットなしの家庭は見つかったものの、二人の女子学生なのに、一人がまだ「Monsieur」と記載されている。それを指摘すると、単なる書き間違えで、先方もそれは承知していると言う。「本当にベッド2台なのか?」とさらに念を押した。学生の引っ越しの時間と手順はどうなるのかと尋ねると、それは別の担当者の仕事なのでわからない、その担当者の仕事は自分では決められないという。移送担当者は何時に学校に来るのかと聞くと、2時には来るはずだと言う。それなら移送担当者が来次第、私に連絡するよう伝えてくれと依頼した。随分うるさい客だと思われたかもしれないが、これくらいしないとうまくいかない可能性があるのだから仕方ない。幸い移送担当者は私が学校の中庭でケバブを食べているときに来校したので、その場で学生の引っ越しの時間と手順を確認できた。


昼食は近くのケバブ屋でテイクアウト。飲み物とポテト付きで8ユーロだった。10ユーロ札で支払うと、おつりを10サンチームと20サンチーム硬貨で返してきた。「こんな小銭はいらない。1ユーロか2ユーロ硬貨で釣りをくれ」と言うと、「サンチーム硬貨しかないんだ」と返答。レジを見るとたしかに1ユーロ硬貨、2ユーロ硬貨は見当たらない。しかしこのような小銭のおつりは気分がよくない。ケバブはそこそこ美味しく、ボリュームもあったが、この店では二度と買わないと思った。

午後はニース旧市街と、それを見下ろす城山への遠足を実施。まずFNACでUSB Type-Cケーブルを購入。Macの代理店でも販売していたが2メートルで40ユーロ近くしたので、FNACなら非純正品がもっと安く買えると考えたのだ。しかしFNACの非純正品も、たかがケーブルなのに高価で、2メートルで30ユーロ弱だった。

FNACのあとマセナ広場、それからオリーブ製品の老舗アルジアリ、オペラ座、オペラ座前の老舗菓子店AUERを紹介し、サレヤ通りで開催されている古物雑貨市を冷やかしてから、I LOVE NICEのモニュメントのある岬の端まで足を延ばした。かなり歩いたので疲れた。



その後エレベーターで城山に登り、眺望を楽しんだ。本来なら少し遅い時間、夕暮れ時がもっともピトレスクで素晴らしいのだが。


かなりの距離を歩いて疲れていたが、引っ越しする学生には付き添うことにした。しかしスーツケースが置いてある滞在先のバス停を間違え、15分ほど余分に歩くことになった。疲れたが結果的には付き添ってよかった。引き払う家の大家は、自分たちは悪くない、学校の責任だということを繰り返し強調していた。おそらくその通りだろう。しかしあの狭いダブルベッドに二人の学生を受け入れようとした大家もたいがいだな、と思いつつも、「確かに学校の担当者の仕事はひどいですね」と同調しておいた。昨日の電話では素っ気ない態度だったのに、対面すると様子が変わる。このような欺瞞的なやりとりは一種の「仕事」と割り切ってはいても、何とも言えない気分になる。まもなく学校の送迎担当者から連絡が入り、旧ファミリー宅を後にした。

新しい家は一戸建てで、対応してくれたマダムは30代くらい。5歳と7歳の子供がいた。古い一軒家で、1階は家族のスペース、2階がホームステイ用のスペースで3部屋と台所、シャワー室が2つあった。テラスもあったが、学生の居室は狭く、折りたたみ式のベッドが2台設置されていた。他の2部屋にはイタリア人女子学生が2名と3名、滞在しているとのこと。マダムは感じが良く、やや早口で話好きな様子。市役所勤務で、パートナーは運送業だという。学生二人の新しい滞在先から自分の滞在先に戻ったのは19時半頃だった。かなり長く歩いたので疲れた。お腹も空いた。
夕食は野菜のスープと、アルザス料理の薄焼きピザのようなもの、それにソーセージが添えられていた。野菜のスープにはかぼちゃの種のオイルを薬味として垂らす。スープが一番美味しかった。


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