2025年2月20日木曜日

ニース研修2025春 2025/2/19 第4日

2025/2/19(水)第5日
曇りで風が強く、寒い一日だった。風邪気味だった学生は大分回復し、今日は授業に出席するとのこと。私は午前中、自宅で論文の準備をしていた。材料はあるものの切り口が見つからず、本当に書き終えることができるのだろうかと憂鬱な気持ちになる。
午後のイベントは、ニースカーニバルの花合戦だ。有料イベントで、希望していた椅子席は既に売り切れ、立ち見席(14ユーロ)しか残っていなかった。16人の学生のうち13人が見物に参加し、残りの3人は本屋と美術館巡りを選んだ。
学校の授業が終わる正午ごろ、チケットを購入して学校に到着。昼食は、トラム1号線Libération駅近くのSocca'Tramへ。Google mapで評判の良いソッカの店だ。学生4人と一緒に訪れた。持ち帰りの客も多い軽食堂で、店での食事は路上の簡易テラスになる。寒い日だったのでテラスでの飯は避けたかったのだが、しかたない。着いた時は混んでいたが、幸い5人分の席がすぐに空いた。




ニースの名物スナック、ソッカを前菜として全員でシェア。塩加減が絶妙だった。メインは、アンチョビのピザ、牛肉のドーブ(赤ワイン煮)ソースのニョッキ(楕円形のもちもちパスタ)、ファルシ(挽肉を詰めて焼いた野菜料理)、ラビオリ入りラザニアを分け合った。寒く窮屈な場所での食事だったが、地元の庶民的な店で本場のニース料理を味わえて大満足だった。普段はピザをあまり好まないが、このアンチョビ・ピザは格別だった。
14時半開始の花合戦には14時45分頃に到着。パレードの後方しか空いておらず視界も悪かった。寒さと立ち続けることの疲れで、私は結局スマホを見て過ごす時間が長くなってしまった。正直なところ、何度も見ているニースのカーニバルの公式プログラム(花合戦と電飾行列)にはそれほど魅力を感じない。




ニースのカーニバルは19世紀末、2月の避寒客(イギリス人やロシア人観光客)向けに、中世からの伝統行事を観光スペクタクル化したものだ。ミモザの花を「カーニバルのプリンセス」が観客に投げる花合戦や、山車に乗せた頭でっかちの巨大でグロテスクな人形など、土着的な伝統は今も残っている。有料化された時期は定かではないが、それにより完全な観光イベント化が進んだ。ただし最終日(2月末か3月初めの日曜)の、カーニバルの王と女王を海上で燃やすフィナーレは今でも無料だ。これまでの研修では日曜が帰国日だったため見られなかったが、今年は私は月曜まで滞在するので、初めてフィナーレを見ることができそうだ。
午後4時過ぎに花合戦を後にし、希望者とともにニース随一の伝統を誇る高級ホテル、ネグレスコでお茶を楽しむことにした。大サロンの見学ツアーも予定していたが、16人全員での訪問は控えめにして、最終的に9名の学生が参加した。
ネグレスコ・ホテルのカフェと大サロンは、私がニース研修で学生たちに最も見せたい場所の一つだ。1913年開館のこのホテルは、ベル・エポック期のブルジョワ趣味の精髄といえる。大サロンの周囲にはニキ・ド・サンファルなど一流アーティストの作品が展示され、美術館のような趣がある。何より魅力的なのは、大サロンの贅沢で優雅な空間設計だ。これは、世界中の上流階級や芸術家が集まったニースならではのものだろう。





現在のカフェは旧小サロンを改装したもので、以前のカフェはバーとして営業している。20分ほど待って席に案内された。コーヒー一杯10ユーロと高額だが、大サロン見学込みと考えれば納得できる。初訪問時、ドアマンに「clientでないと大サロンは見学できない」と言われたが、カフェの客もclientだと説明して入館できた思い出がある。
帰宅前に、男子学生二人の滞在先で朝食が提供されていないという問題を聞いた。二食付き(demi-pension)の契約なので、学校に連絡して対応を依頼することにした。
その後、ネグレスコで1時間ほど過ごしてから帰宅の途についた。 

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