2020年3月13日金曜日

2020/03/12 パリ

午前中はバスティーユに映画を見に行った。
今、フランスの女性のあいだで大人気というノエミ・メルランが主演の歴史映画『火のなかにいる若い女性の肖像』Portrait de la jeune fille en feuを見るためだ。この女優についても、映画についても私はまったく知らなかったのだが、パリ在住の女優の竹中香子さんから昨日教えてもらって見に行くことにした。竹中さんも一緒に見る予定だったのだが、彼女に急な用事が入ったので私ひとりで見に行くことになった。
時代は18世紀末、主人公は女性画家でブルターニュの島にとある貴族の娘の肖像画を描くために赴く。この女性画家と一筋縄にはいかない貴族の娘の関係を描いた映画だ。フランス内外で高い評価を得て、カンヌ映画祭の脚本賞をはじめかずかずの賞を獲得している。

映画のあとは竹中さんと昼飯を食べた。グーグルマップでポルトガル料理というのが表示されていて気になったので、その店に食べに行くことにした。私も竹中さんもはじめてのポルトガル料理で何をどのように頼めばいいのかわからない。幸いメニューは写真付きだったのでどんな料理なのか見当をつけることができる。エビと肉の串焼きを注文したが、そのサイズが思っていたものの3倍くらいあったので驚いた。
こんなたくさん食べられるのだろうかと思ったが、食べてしまった。塩コショウのシンプルな味付けだが、にんにくもたっぷり。美味しかった。
昼飯のあとは、近所にある竹中さんおすすめのケーキ屋にいって、モンブランを購入する。購入後、彼女と分かれて、一度宿舎に戻る。宿舎でモンブランを食べた。絶品ではあったが、スプーンがないので困った。宿舎のカフェテリアで借りようと思ったら、カフェテリアが閉まっていて借りれなかったのだ。ケーキの紙の箱の一部を折り曲げて、スプーン代わりにして食べた。

夜はオデオン座にイヴォ・ヴァン・ホーヴェ演出、イザベル・ユペール出演の『ガラスの動物園』を見に行く。新国立劇場での上演も予定されているプロダクションだ。今、ヨーロッパで大人気の演出家であるホーヴェ演出で、フランスを代表する名優、ユペール主演、そしてテネシー・ウィリアムズの名作となれば、面白くならないわけがない。ただ期待していたほどには面白くなかった。ユペールのような大女優と作品を作ることの難しさを感じさせるような舞台だった。ユペールの「名演」に作品全体が振り回されているような印象を持った。きっちり書き込まれた脚本に、演出が食い込めなていない。ユペールの演じるエキセントリックでテンションの高いアマンダの暴走が前面に出て、それが芝居全体を支配している。
二幕で登場するアイルランド系のジムを黒人中年男性俳優にやらせるという仕掛けにはちょっとやられたなという感じはあったが、全体的にホーヴェにして中途半端で切れ味の鈍い演出だった。
個人的には昨年に見た文学座の『ガラスの動物園』のほうにはるかに深い感銘を受けた。ただユペールの芝居としてみると、楽しめなかったわけではない。

今、フランスでは1000人以上の集会はコロナウイルス感染の拡大防止のため禁止されていて、オデオン座は微妙なところだったが上演は維持された。会場もほぼ満員だった。私の席はサイドの一番奥のボックス席だったのだが、開演直前に「正面席に空きがありますので、もしよければそちらに移動してください」と客席誘導スタッフに言われ、いい席で見ることができた。こういうところはフランスの劇場のいいところだ。

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